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クリニック

内科と連携、患者の生活面にも配慮したわかりやすい医療を提供していきたい

千葉県松戸市、常盤平駅前のクリニックモールにある「かわな眼科」。開業から今年で10年、今ではモール内の中廊下にも診察を待つ患者さんがあふれています。

かわな眼科では、患者さんにとって「わかりやすい医療」を理念に掲げ、目の状態だけでなく患者さん自身の生活面も気遣う診療を行っています。

今回は院長の川名先生に、医療モールの特性を生かしたわかりやすい医療についてお話を伺いました。

【画像】かわな眼科 院長の川名啓介先生
かわな眼科 院長の川名啓介先生

開業のきっかけは、自分のスタイルで診療し、白内障に困る患者さんに貢献したいから

―ご開業のきっかけは?

私は、学生の頃に、白内障手術後に喜ぶ患者さんの姿を見て、眼科医になろうと決めました。ご年配の患者さんに、手術後の見え方が良くなったことに感動して「先生!」と拝まれることもありました。手術によって目がよく見えるようになった患者さんが喜んでくれる姿は、きっとやりがいにもなるだろうと思いました。

また、大学病院に在籍していた頃は、診療だけでなく研究や学生の指導などで忙しかったこともありますが、開業して自分のスタイルで診療していきたいと考えるようになりました。開業することで自分の裁量のもとで、自分の診療方針に合う機械も導入できることに魅力を感じ、開業をすることに決めました。

―なぜこの場所で開業しようと思われたんですか?

開業地を探し始めたときに、たまたまここに医療モールができることを知って、このエリアを調べてみました。すると、昔ながらの団地があって高齢者が多い地域だということがわかりました。白内障手術をメインでやっていこうと思っていたので、高齢者が多い地域なら白内障で困っている患者さんも多いだろうと思いました。その他、高齢の方は緑内障を患っていることも多く、こちらの診療でも眼科医として地域の皆さんに貢献できると思って、この常盤平に決めました。

他診療科との連携可能、スペースの有効利用もできることが医療モールの特性

【画像】医療モールの中廊下。すぐ隣に内科クリニックがあります。
医療モールの中廊下。すぐ隣に内科クリニックがあります。

―医療モールで開業してみてどうですか?

医療モールなのでいろいろな診療科がありますが、中でも内科の先生と連携できる点が良かったです。糖尿病の患者さんの中には糖尿病網膜症を患う方もいて、眼科と内科両方からの適切な治療が必要です。しかしながら、内科にかかっていても眼科には受診しない方も多いですし、また逆のことも多々あります。そのため、隣に内科の先生がいてくださると安心です。内科の先生とお互い連絡を密にして、それぞれの専門性を生かした治療を受けられる環境は、患者さんにとっても大きなメリットだと思います。

また戸建てのクリニックと違って、中廊下のスペースも自院の待合のように使うことができるのも良いですね。雨や風などの天候にも左右されず、温度も適度に管理されているので、混んでいるときに待つ間も心地よい環境で過ごせると思います。

―医療モールの特性を最大限活用されているのですね。

電子カルテの活用と積極的な情報公開で「わかりやすい医療」を提供

―「わかりやすい医療」を理念に掲げていますが、それはなぜですか?

患者さんには、できる限り納得して治療を受けてもらいたいと思っています。きちんと理解しているのとしていないのとでは、治療への積極性も変わってきます。ですので「患者さんにとってわかりやすい医療を提供したい」という思いからこの理念にしました。

―具体的にどんなことをされていますか?

まず、患者さんへの情報開示の一環として、院内掲示やホームページなどで、手術の実績や白内障手術に関する医療費の助成などの情報を積極的に公開しています。手術はたくさん経験している医師の方が患者さんも安心できると思うので、積極的に更新しています。

また医療費についても、白内障手術は比較的高額な医療なので、患者さんの経済的負担が少しでも軽くなるように、助成などに関する情報を掲載しています。患者さんにとって役に立つような情報は積極的に開示していくことも重要だと思っています。

【画像】検査室内のサイネージ用モニター。この向かいに検査待ちのイスが並んでいます。
検査室内のサイネージ用モニター。この向かいに検査待ちのイスが並んでいます。

患者の医療知識向上と豊富な情報発信のためにサイネージを利用

―サイネージの目的もそこですか?

そうですね。患者さんに納得してもらうには、患者さんご自身に病気や検査についての知識をつけてもらうことが重要だと思います。知識をつけてもらうことで診察時の説明も理解しやすくなりますし、納得して治療を受けるということにつながっていくと思います。

また眼科ですと、検査も多く、待ち時間が長くなってしまうこともあるので、その時間を有効利用して少しでも情報発信ができるといいなとも思っています。院内の掲示板に貼り出したりもしているのですが、それだと発信したい情報量に限りがあるのと、貼り紙の管理が面倒でした。しかしデジタルサイネージですと、情報量に制限はありませんし、貼り紙の管理も必要なくなるので、気に入っています。

当院からの情報だけでなく生活に即した健康情報やニュースなども流れるので、待ち時間を短く感じられるようになっていると思います。また、自分で作成したテロップを出せる機能なども簡単で便利なので、休診などの通知によく使っています。

―情報開示以外に、診察時に気をつけていらっしゃることは何かありますか?

開業時から電子カルテを採用しています。診察時には一緒に画像を見て、ご自身の状態を把握してもらえるようにしています。画像を見てもらうことで、言葉だけの説明に比べて患者さんも自分の目の状態が確認できるので、どこがどのように悪いかということが一目瞭然です。「良くなっていますよ」とか「悪くなっているからこう変えましょう」と説明するにしても、画像のような客観的なデータがあるかないかで、患者さんの納得感は変わってくると思います。

【画像】この電子カルテ画面で、患者さんと一緒に画像を確認します。
この電子カルテ画面で、
患者さんと一緒に画像を確認します。

また患者さんによっては必ずしも自覚症状と状態が一致しないこともあります。そういう場合も、今起きている症状の原因が何かを考えるという手がかりにもなりますので、客観的なデータがあるということは診察する上で非常に力強いと思います。

―情報発信以外に、診察時に気をつけていることはありますか?

患者さんの訴えを聞いて、なるべく1回の診察で治療方針が立つようにしています。定期的に通っている患者さんには、症状が良くなっているのか悪くなっているのかも必ず聞きます。自覚症状のわずかな変化により、病態を理解するヒントが生まれることも多々あります。その上で、もしその日に解決できない場合には、次回以降の方針をしっかり説明して納得してもらうことが大切です。

そのため、当院では少しでも早く結果がわかるようにと、大学病院にも劣らないような高性能な機械を導入しています。良い機械を使うことで、短時間で多くの情報を集められます。その結果を有効に利用して、患者さんの待ち時間は1時間以内を目安として、その待ち時間で9割に迫る答えを出せるように努めています。待ち時間をなるべく短くするために、診察時には私の隣で医療クラークにカルテ入力を同時進行してもらったり、電子カルテを活用して検査結果やお会計をお待たせしないようにも心がけています。

―早く結果がわかるのは助かりますよね。

治療に消極的な患者には、将来の生活をイメージできるように説得

―今後の方針をきちんと説明しても、継続してくれない患者さんも中にはいると思いますが、そのような方にはどんな対応を?

治療を継続しないとどうなるのか、きちんと理由を添えて説明するようにしています。
例えば40代くらいの若い段階で緑内障を患ってしまった場合、適切な治療をしないと、見えなくなってから過ごす期間も長くなります。そうなると、周りの方に介護してもらう必要が出てきたり、手術が必要になったりすることで医療費もかさんだりして大変です。そのため、今から将来を見据えてしっかり治療を続けましょう、と伝えたりします。

現在緑内障は見えなくなった時点で良くすることはできない病気なので、そうならないように薬をきちんと使って、見える状態を長持ちさせるのが治療になります。そのため、説明用のパンフレットや動画を見てもらうことで、初期の段階からきちんと治療することの必要性を理解してもらえるようにしています。

その上で、少しでも悪い気配が出たときに適切な対処をすれば、その先も目が見える状態で一生過ごせるかもしれないですよ、と。
自分のことだけならまだしも、周りの人に大変な思いをさせるのはみなさん嫌でしょうから、治療に積極的になってくれる患者さんもいます。

―患者さんの生活面も配慮して診療されているんですね。

そうですね、どんな病気でも早めに発見して治療すれば長引かないですし、医療費も抑えることができます。今は、緑内障なども早めに見つけられる技術が進歩しているので、それを知らずに過ごすのはもったいないですよね。

できるだけ多くの方に、目に関しては一生ハッピーに過ごしてもらいたいので、患者さんの不調を早期発見し、わかりやすい医療を提供できるようできるよう努めていきたいと思います。

かわな眼科

かわな眼科
院長 川名啓介
〒270-2261
千葉県松戸市常盤平 3-10-1
セブンタウン常磐平店 3階
TEL 047-384-9898
https://kawanaganka.com/

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