目次
問診票の活用ってどういうこと?
医療機関にとって問診票は、正確かつ迅速な診断のために必要不可欠な情報源です。当然ながら、患者さんの主訴や既往歴、生活習慣といった設問が中心になりますよね。
視点を変えてみると、初診の患者さんが必ず記入するわけですから、問診票って、結構重要な患者さんとの接点なんです。しかもアンケート形式だから、双方向でコミュニケーションができてしまう優れもの。
患者さんの声のヒアリングなど、工夫次第で貴院にとって役立つ情報を集めることができるんです。
荻窪中尾耳鼻咽喉科医院様
(東京都杉並区)当院を知ったきっかけを経年変化で分析
問診票の中で“当院を知ったきっかけ”を聞く設問は、よく見かけます。貴院を認知した媒体を知るために、重要な設問ですが、貴院ではこの回答結果を活用できていますか。
荻窪中尾耳鼻咽喉科様では、この設問の回答結果をデータ化して分析し、経年変化を見るようにしています。グラフ化(下図)すると変化が一目瞭然。2014年5月にホームページをリニューアルして以降、インターネット経由で来院する新規患者が増えました。
一方、費用をかけて掲出している路線バスのアナウンス広告経由での来院者は、月に1人いるかいないか程度ということがわかり、定期的な広告予算の見直しにも役立っているそうです。
問診データは経年変化で見る!
……集めたい項目を明確にし、最低限データ化すると簡単に集計・分析ができます。
おおくぼ総合内科クリニック様
(神奈川県横浜市)複数の問診票を使い分けて診察順の効率化
貴院では、問診票を何パターン使用しているでしょうか。複数の診療科目を標榜している場合は、科目ごとに問診票を分けているかと思いますが、一科目でも来院目的ごとに問診票を使い分けると、診察順の効率化につながります。
おおくぼ総合内科クリニック様では複数の問診票を用意して、受付スタッフが来院目的ごとに渡し分けをしています。
薬の処方のみなど、診察時間が短いと想定される患者は先に、不定愁訴等じっくり話を聞くべき患者は後に診察順を設定することで効率化。待ち時間の不満解消だけでなく、問診データを分析する際にも、目的別に診療圏や当院を知ったきっかけを把握することができます。
使い分けている問診票パターン
(総合内科)
- かぜ・胃腸炎
- 患者数がもっとも多い来院理由。
検査や処方薬の希望を聞く設計。 - 内科一般
- かぜ・胃腸炎以外の来院理由で使用。
症状や既往歴を詳しく聞く設計。 - 心療内科
- 来院目的や症状・既往歴を聞く設計。
他病気の診療一本化希望もあると〇。 - 健康診断
- 健診目的、希望する検査など。
一診療科目でも問診票は複数パターンを用意する!
……初診時だけでなく、検査希望有無等を聞くため来院目的によっては再診時も使えるように設計しましょう。
問診票設計の
ポイント
患者さんの声を効果的にヒアリングするための問診票設計のポイントをご紹介します。
ぜひご参考ください!
貴院の競合となる医療機関の把握に。
転院(=スイッチング理由)まで聞けると尚よいでしょう。
貴院を認知した媒体を知るための質問。
広告を出しているものは、回答項目にすべて盛り込みましょう。
貴院が選ばれる理由を知るための質問。
ここまで聞いておくとマーケティングツールとして超優秀!
検査の希望有無、処方薬の希望を確認しておくと、診察時間を想定でき順番決めに役立ちます。
貴院が力を入れている外来や検査があれば、興味があるかの聞き取りを。
Push型の案内ができ、受診数を伸ばせる可能性があります。
テクニック
後半になると記入する側も面倒に…。
質問項目には優先順をつけて並べるのが〇!
治療に関係ない項目だからといって、最後に申し訳程度に記載する必要はありません。
テクニック
回答の選択肢は曖昧な表現は避けて!
当院を知った理由もただ“インターネット”とするのではなく、“インターネットで検索して”とすることで認知媒体を明確に把握できます。