ブログを書くぞと勢い込んで2ヶ月。
既にネタ切れを起こしております毛塚でございます。
ということで、ネタが切れたときには本のレビューだ、という安易なアドバイスをGoogle先生にいただきましたので、そのまま実行したいと思います。
今回はこの1年くらいで読んだ本で印象に残っているものを簡単に振り返ってみたいと思います。
はっきり言って、かなりミーハーに話題になった本とか読み散らかすタイプなので、全部読んだわ、という方、すいませんm(_ _;)m
目次
ビジネス書系
ZERO to ONE
この本は超有名なので、読んだ人も多いと思います。いわゆるペイパルマフィアのドンと言われる人が書いた本。
1から100を生み出すんではなく、0から1を生み出そうぜ、そのためにはそもそも「競争に勝つという発想をやめようぜ」という本。ITベンチャーだと軽視されがちな営業/販売活動の重要性だったり、いわゆるリーン・スタートアップとは真逆の思想で、「原理原則から考えることの大切さ」について丁寧に解説してます。優秀な頭脳を持って、良い大学出て、投資銀行とか戦略コンサルに勤めることがゴールのような風潮、あるいはそういう人達に割と喧嘩売ってます笑
この本を読んだのはもう1年ほど前なのですが、私もこの本読んでから、「あー、小さく考えるんじゃなくて、考えるだけは大きなことを考えよう」と思うようになったし、日々意識するようになりました。
むしろ正しいのは、それとは逆の原理だ。
- 小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい
- 出来の悪い計画でも、ないよりはいい
- 競争の激しい史上では収益が消失する
- 販売はプロダクトと同じくらい大切だ。
どんなスタートアップもはじまりは小さい。どんな独占企業も市場の大部分を支配している。だから、どんなスタートアップも非常に小さな市場から始めるべきだ。失敗するなら、小さすぎて失敗するほうがいい。
HARD THINGS
30代後半の方なら知ってるネットスケープ社からスタートして、ベンチャーのCEO、2009年にVCを立ち上げてからはFacebook、Twitter、Skypeなどに投資をしたことで有名になったVC アンドリーセン・ホロウィッツの人が、自身の体験に基づいて、ベンチャーというものに何が求められるか、本当に大切なことは何か、について書いている本。
日本とアメリカではビジネス環境は違いつつも、ベンチャー経営においてもっともしんどいこと(売上9割の顧客が逃げる、とか、社員やマネジメントをどうやってレイオフするかとか)とどう向き合うべきか、についてすごく真摯に書いてます。年の離れた尊敬しているメンターから、優しくアドバイスされているかのような文体も、すごく良かったです。
マネジメントについての自己啓発書を読むたびに、私は「なるほど。しかし、本当に難しいのはそこじゃないんだ」と感じ続けてきた。
本当に難しいのは、大きく大胆な目標を設定することではない。本当に難しいのは、大きな目標を達成しそこなったときに社員をレイオフすることだ。本当に難しいのは、優秀な人々を採用することではない。本当に難しいのは、その優秀な人々が既得権にあぐらをかいて、不当な要求をし始めたときに対処することだ。本当に難しいのは、会社の組織をデザインすることではない。本当に難しいのは、そうして組織をデザインした会社で人々を意思疎通させることだ。本当に難しいのは、大きく夢見ることではない。その夢が悪夢に変わり、冷や汗を流しながら深夜に目覚めることが本当につらいのだ。
こんな乱高下なんて、自分だったら耐えられないし、たぶん、どこかで投げ出してしまうんだろうな、という体験記部分を読みながら、でもシリコンバレーのイケイケベンチャーの経営者も、日本の零細企業も、悩むことは一緒なんだろうな、と思うと、少し勇気がもらえた本でした。
HIGH OUTPUT MANAGEMENT
こちら、上で紹介したHARD THINGSと合わせてレビューされてて一緒に買った本です。書かれたのはだいぶ昔らしいです。
インテルの元CEOが書いた本。こちらは、経営層向けというより、会社を動かしているマネジメント層向けの内容で、マネージャーは何をすべきか、意思決定のやり方、ミーティングの必要性と進め方などなど、かなり具体的なアドバイスが書かれています。「自分が見ている組織のアウトプットを最大化するために、全ての自分の一挙手一投足に対して、いかに緻密に計算するか」が根底のテーマとしては流れていて、中間管理職・マネジメントというものの基礎としての至高の一冊だと思います。マジか、そこまで考えないとダメなのか、という思いと、いかに自分が適当にマネジメントを感覚だけでやっているか、怒られているような気分になりました。
起業家はどこで選択を誤るか
こちらは、スタートアップを起業するぞ!といった時に起こしがちな過ち、特に資本政策系のトピックを事例を中心に紹介するスタイルです。掲載されているトピックに興味を惹かれて買ったんですが、よく考えたら、私自身は起業家でもないし、資本政策なんかも考えていないのであまり実感を伴って読めなかったかな。なるほど、確かにそういうことで問題は起きそうだなぁくらいの感想。
でも、今まさに、複数人で起業しようとしている、とか、VCから調達しようとしている、とか、上場目指して従業員にストックオプションを!とか考えている人は一回目を通しておいて損はないかなと思います。事例中心なので割と読みやすいです。
フィードバック入門
この本は、実は私の大学の研究室の先輩が書いた本なんですが、部下との面談にフォーカスして、面談やフィードバックをどうやってやるべきか、いろいろな状況に応じたハウツー的な内容が書かれています。企業の人材育成を研究している先輩なので、フィールドワークも多くやっていて、事例が多く掲載されているのも、具体論があってすごく良かったです。
実際、メンバーとの面談って自分だけでなく、マネジメント層は全員やっている/やるべきことなんだけど、実際には「こうすべき」という方法論ってあまり体系化されていないし、みんななんとなくの感覚だけでやっている部分だと思うので、部下がいて面談をする機会がある人にはすごくお薦めです。経営者からすると、下の中間管理職の人には必ず読ませたい一冊。
失敗の科学
組織として、失敗がなぜ隠蔽されたり改善されなかったりするのか、について科学的なアプローチで原因を探るとともに、どういうシステムを組織として取り入れるべきなのか、について論じています。
「医療ミス」というテーマを扱っていたので興味を持って買いましたが、思った以上に組織マネジメントを科学的なアプローチで深掘りしていて、「自律的に改善をしていく組織をどう設計すべきか」という点でいろいろと目からウロコな一冊でした。
医療系
医療イノベーションの本質
この本は、ここ数年で読んだ本の中では一番震えた本でした。正直、医療業界にいると「もう未来は無いかな」と暗い気持ちになることが多いんですが、そんな中で、自分が目指すべき希望、というか医療の未来像のヒントがたくさんありました。
もともとは「イノベーションのジレンマ」を書いているクリステンセンさんが、イノベーションという切り口から医療をどうすべきか、について論じている本です。
もちろん、医療には法律的な制約とか縛りがあるので、簡単にこの本に書かれていることの実現は難しいかもしれませんが、将来的な方向性を考える上で、むしろ制約なく議論されているという点ですごく良かったなと思います。医療人なら是非読んで欲しい一冊。
医者とはどういう職業か
医者って、どういう人種なの?という事について、医者が面白おかしく、わかりやすく書いてます。なんでお前、医者なんて目指したんだよ、という人も一定数いるのも事実で、何故そんな医者が生まれてしまうのか、多くの医者が何を考えているのか、なかなか医者じゃないとわからない裏側の部分が知れて面白かったです。
軽いタッチなので、さらっと読めますし、将来子供は医学部に、と思っている方には良いかも笑
自己啓発系
再起動 リブート
定期的に訪れる「俺、このまま社長として大丈夫なのか?」という不安にかられて、会社を潰した社長の体験記を読みたくて買った本。
ダイヤルQ2時代の超絶バブルのように儲かって、そこから一転、どん底まで落ちて、みたいな七転八倒の体験記です。
読んで思うのは、「ようそこまでやるわ」という一言に尽きます。やっぱり、やんちゃが出来る人って上に行くスピードも早いけど、そこから転落する時も超高速、更にはそういう人ってわりと何回でも復活してくるバイタリティがあるよね、ってことですね。俺には無理ぽ。
勝ち続ける意志力
こちらは、日本人初プロゲーマー、梅原大吾の本。それまで知らなかったんですが、誰かからおすすめされて読んでから、今や私の中で一番尊敬する人物にランクインしました。梅原大吾。
何が凄いって、ただひたすら、周りからなんて思われようが、眼の前のことをやり続ける忍耐力と努力が出来る才能。私なんかは、すぐ効率的な方法を考えちゃったり、いかに怠けるか、みたいな思考性になるタイプなんですが、私からするともう真逆の生き方をしている人で、ただただ恐れ入った、という感想です。ほんと、ごめんなさい。何も努力なんて出来ていない、俺。
僕にとって勝ち負けはどうでもいいこと。むしろ、勝つために努力する工程こそ勝負の本質だと思います。