年末に昨年たてた目標を振り返りながら、来年の目標を決める、ということをもう10年近く続けています。
面白いもので、年初に目標をたてるときは「いやぁちょっと難しいかな」と思う目標でも、1年後に振り返ってみると7割ぐらい達成できているんですよ。
別に1年間通して目標を強く意識してるわけではないし、もっというとどんな目標を立てたかなんて振り返るときにはすっかり忘れています。それでも振り返ると7割ぐらいの項目が達成している。7割ぐらいは達成していて、3割ぐらいは状況が変わったり気持ちが変わったりしてうまくいかなかったこと、そしてそのかわりに3割ぐらいは年初には思いもよらなかったことを始めたりしたことが出てきます。
毎年結構いろんな目標をたてるんですが、この割合はずっと変わりません。
目標をたてるという行為自体が無意識化の自分をコントロールしているのか、それとも無意識に7割ぐらい達成できそうな目標を計算しているのか。
10年続いたのも、年末に昔の自分がたてて忘却の彼方な目標を引っ張り出して、宝くじが当たる当たらないでワクワクしながら答え合わせをする気持ちになれるからかもしれません。
■■■
そんな流れでふと1年前の自分の文章を読み返してみました。
私は経営者としてはすごく保守的なタイプで、リスクも大きいけど全力でフルスロットル、みたいなことに果敢にチャレンジ出来るタイプではありません。来年はつつがなく一年を無事に過ごせたらいいな、と思うんですが、結局毎年なにがしかの事件には見舞われるんですよね。本当に波乱万丈な生き方とか無理。ストレスで死んじゃう。波乱万丈な仕事人生を送れる経営者とか心の底から敬意を評します。俺はやらんけど。
一昨年までの私は保守的に、冒険をせず、無理をせず、そんなタイプの経営者でした。
それなのに、2020年は気付いたら自分で信じられないぐらい仕事をしていました。
たぶん社会人になって約20年一番仕事をした1年だったと思います。
3月ぐらいからコロナの感染が広がって、誰も想像したことのない世の中になるとともに医療が多くの人の関心事の中心になりました。さらに対面で人と会ったり話したりできなくなったことによってデジタル化への関心が急激に高まりました。
そんな状況の中でひたすらに手を打ち続けた一年でした。
WEB問診を一部無償化したり、新しいプロダクト仕込んで3ヶ月でリリースしたり、毎月のように自社開催のWEBセミナーやりはじめたり、そんなことやりながら一方では全員在宅勤務に移行したり、本社の内装変更したり、社内の研修をいくつも企画して実行したり。
思いつきではプロジェクト立ち上げては社内外含めて関係者アサインしては、まだそれも片付いていないうちに次のプロジェクトを立ち上げて、の繰り返しでした。
社内の人は毎回違うことを言い出す私のことにうんざりしていたと思います。落ち着けよと。
思いつきではプロジェクト立ち上げては社内外含めて関係者アサインしては、まだそれも片付いていないうちに次のプロジェクトを立ち上げて、の繰り返しでした。
社内の人は毎回違うことを言い出す私のことにうんざりしていたと思います。落ち着けよと。
たぶん躁状態だったんだと思う。一年間ずっと。
■■■
年末時点で動いているプロジェクト数えたら11個ありました。
プロジェクト規模もそれなりでどれもハマったら面白そうだな、と思えるものばかりです。
この会社は決して派手さは無いけど(知名度なさすぎて少し悲しくなるときがあるけど)、この数年は本当にそういう安定感みたいなものが素晴らしいなと他人事ながら感じてます。メンバーそれぞれが自分の持ち場できっちり役割を果たして、トラブルに巻き込まれつつもしっかり1年間で事業を進めていけるのは各人の戦闘力の強さ、野武士感みたいなものなんだと感じています。
(「2019年を振り返って」から)
きっとこの会社は自分が思うよりもずっといろんなことができる組織に育っていたのかもしれません。
それをいままで私がブレーキを踏んでいたのかもしれないなと思っています。本当はもっといろんなチャレンジが出来たのに私自身が一番チャレンジを怖がっていたのかもしれません。
世の中に大きな変化があって、その急激な変化についていくためにアクセルを踏んだときにちゃんとそれを支えてくれるメンバーがいる。むしろ私の想像以上の成果を出してくれる。会社にスピード感があるとまわりも面白がって私達と組みたいと言ってくれる。
この会社は私が大事に育てているつもりだったけど、もうすっかり独り立ちしていて、私はあくまで神輿に乗せられているだけだったのかもしれません。
■■■
ということで、今年もみなさまから「MCFはなんか面白いことやってるな」と思われるよう、神輿の上で精一杯踊りたいと思います。この会社はそれを支えてまだ余裕があるぐらいの安定感が十分と信じています。以前は地味でいい、別に目立たなくていいと思っていましたが、やっぱりもう少しだけ前に出たほうが同じ仕事でもインパクトもでるので、ちょっとずつかもしれないけど注目してもらえるよう頑張りたいと思います。
そうやって踊る社長を見て、ひとりでもふたりでも楽しそうと思って神輿の上に登ってきてくれるメンバーが出てきてくれたら嬉しいと思います。
今年の年末に2021年を振り返ったときに「今年もよく仕事したなぁ」と思えることを楽しみにしています。