緊急事態宣言も解除されましたね。
第二波くるぞおじさんもたくさんおりますが、まずは感染拡大を抑え込めたことは素直に嬉しいことだし、これから徐々にでも普通の生活に戻っていけることを望んでいます。
これから徐々に自粛が解除されていくにあたって、政府が「新しい生活様式」を提唱しています。
私はこの政府が発表した「新しい生活様式」は、あくまでコロナ感染期、まだ感染が収束しておらずワクチンなどの対応策が確立されていない時期における生活様式だと捉えています。だって、感染症の事を誰も気にしなくなったのに、外出するときはずっとマスクとか、常に人と会話するときは正面をさけるとか、飲み会で全員横並び、とかなんか違うでしょ。
ただ、「働き方」という点を考えるに当たって、今回の新型コロナにおける多くの会社の在宅ワークへの急激な移行は、ひとつの壮大な社会実験になったんじゃないかなとも感じていますし、果たしてコロナが収まったからと言ってまた元通りの働き方に戻るのかな、というとそれは違うかもしれないなと感じています。
そういったことをぼんやり考えた結果、MCFも正式に6月から新しい働き方に移行していこうかなと言うことで先日オンラインで全メンバー集めて説明をしました。今回は、そんな「メディアコンテンツファクトリーの新しい働き方」について少し触れてみたいと思います。
メディアコンテンツファクトリーの新しい生活様式とは
MCFはいままでは基本的に出社を前提として制度を組み立てていました。営業は直行直帰も多かったですし、子供の事情等で個別に今日だけ在宅勤務、みたいなことは認めていましたが、基本はみんな出社しましょう、というルールでした。
今回、緊急事態宣言もあけて徐々に自粛モードも解除されていきますが、将来を見据えたときに果たして今までのやりかたに戻すべきなのか悩んだ結果、良いタイミングだし「新しい生活様式」に一気に移行しよう、と決断して下記のとおりとしました。
MCFの新しい生活様式
- 正社員は週2回は出社日とする(残り3日はどこで働いても良い)
- 毎週1日(曜日固定・金曜日)は全員出社日とする
- 残り1日は部門単位で出社する曜日等を決定(シフトや部門出社日など)
基本的に週2回の出社は義務だけどそれ以外は在宅勤務でもよいよ、という考え方で、1日は部署間をまたぐ人たちが顔を合わせるために全社的な出社日、1日は部署内の人たちでのMtgなどのための出社日、という考え方です。
なぜ「新しい生活様式」に移行するのか
MCFは3月初旬から在宅勤務に徐々に移行していったので、ほぼ丸3ヶ月在宅勤務でした。最初は在宅勤務に移行するための環境整備や準備だったり、出社を前提としていた業務(紙を前提とした業務など)をオンライン化していく対応、新しい業務方法への不慣れなど、かなりバタバタして業務効率も落ちている部分がありました。
しかし、4月中旬にはみんな在宅勤務にも慣れ始めて、在宅勤務を前提としたコミュニケーションのとり方や業務の進め方も整備され、5月には在宅を基本としても業務効率的に問題ないレベルまで持ってこれたように思えます。このあたりは自画自賛ですが、昔からうちの会社は私の思いつきで組織をわーっと変えることが頻繁にあって、それに対してすっと準備できる中間層やメンバーの優秀さ(変化することへの対応力)があったおかげだなと感じています。
MCFにおける仕事は、映像制作・WEB制作・開発・企画などもともとクリエイティブ職が多いこと、ここ数年でユーザサポートも電話よりもオンラインサポートに一気にシフトしてきたこと、今回のコロナ禍により営業面においても一気にオンライン商談やインサイドセールスを強化できたことなどが重なって、もともと在宅勤務がやりやすい会社ではあります。
今回約3ヶ月全社的に在宅勤務を経験してみて、(1)クリエイティブ職を中心に在宅勤務のほうが効率が上がると感じたこと、(2)リモートワーク(みんなが同じ場所にいない)を前提としたほうが社内のオペレーションもデジタル前提で構築しやすい、と感じたことから、将来を見据えて元の出社前提の業務に戻すのではなく、在宅勤務を中心とした業務運営にシフトしていったほうが会社全体として効率性が上がるだろうと判断をしました。
ただ、在宅勤務の弱点やデメリットもやっている中で感じています。
どうしても在宅だと自分の部署の中や、直接の上司・部下とのコミュニケーションのみに閉じてしまいがちですし、業務に関係のあるコミュニケーションに限定されがちです。また、遠隔コミュニケーション自体が「すでにある信頼関係の貯金の食いつぶし」の側面があるので、新しい人達が馴染むのに苦労する面もあるし、新たな信頼関係を築きずらい側面があるかなと。
どうしても在宅だと自分の部署の中や、直接の上司・部下とのコミュニケーションのみに閉じてしまいがちですし、業務に関係のあるコミュニケーションに限定されがちです。また、遠隔コミュニケーション自体が「すでにある信頼関係の貯金の食いつぶし」の側面があるので、新しい人達が馴染むのに苦労する面もあるし、新たな信頼関係を築きずらい側面があるかなと。
そういった部分を少しでも担保するために、「業務に集中する時間」と「組織としてのコミュニケーションを推進していく時間」を明示的にわけていこう、というのが在宅3日・出社2日のバランスです。ただ、組織としてのコミュニケーション量の不足って、すぐに結果が出ることではなく長期的に影響が出てくる部分なのでひょっとするとその影響次第では出社(=コミュニケーション設計)の割合を増やすかもしれません。
新しい生活様式で気をつけたいこと
今回決めた「新しい生活様式」は、「いまはまだ新型コロナの感染が収まっていないから」でもなければ「BCP対策の一環」としての施策ではありません。なので、6月はもう少し流動的(時差出勤とか在宅勤務多めとか)に動かしていくと思いますし、逆にコロナが収まってもこのスタイルで働いていきましょうね、という考え方にもとづいています。
今回自分でも強く意識したのは「従業員満足度向上や待遇改善のための在宅勤務施策ではない」ということです。あくまで「MCFの新しい生活様式」は「全体最適としての業務効率を上げていくための取り組み」を目的として据えています。なので在宅勤務は「義務」ではなく「効率的に仕事をするために取りうる手段の一つ」であることは、メンバーにも強調しました。会社に来たほうが効率的に業務を進められる人もいれば、在宅のほうが仕事が捗る人もいる。いずれにしても、自分の責任において「最も全体最適として業務を効率的に進められる方法を選べる権利」の付与です。
なので、たとえば在宅勤務の家の環境整備(ネットワークや椅子、ディスプレイ等)は会社として負担はしないことにしています。そこはあくまで自己責任でやってね、ということです。
オフィスも、今まで前提としていた「全員が出社してひとり一つずつ机と椅子がある」オフィスである必要性がないので、「新しい生活様式に合ったオフィスレイアウト」というものに変えていこうと思っています。自社オフィスとコワーキングスペースとイベントスペースの合いの子みたいな感じのオフィスになるんじゃなかろうか。
あと、一番インパクトがあるのは、おそらく「評価制度」だと思います。いままではある程度プロセスや経験も評価する、というような評価制度だったものが「基本的にアウトプットしか評価しない」制度に変えていくつもりで、ここの制度設計も今後の課題。やることたくさんあるなぁ。。。
「新しい生活様式」へのチャレンジはうまくいくのか
今回、新型コロナの感染が想像以上に抑え込めて緊急事態宣言が各地で解除されて、世間的には最初はおそるおそるだったことも数ヶ月すると自粛期間などなかったかのようにオフィスの出社を前提とするようなところに戻ると思います。
私はもともとはリモートワーク否定派の人でした。理由は上でも書いていますが短期的には良くても中長期的に見たときに必要なコミュニケーションや組織としての信頼感が担保されずに緩やかに組織が崩壊していく事を危惧しているからです。もともとコンサルティング会社出身で、リモートワーク前提の組織が故の誰も組織に対してロイヤリティがない組織を経験しているからかもしれないです。
私はもともとはリモートワーク否定派の人でした。理由は上でも書いていますが短期的には良くても中長期的に見たときに必要なコミュニケーションや組織としての信頼感が担保されずに緩やかに組織が崩壊していく事を危惧しているからです。もともとコンサルティング会社出身で、リモートワーク前提の組織が故の誰も組織に対してロイヤリティがない組織を経験しているからかもしれないです。
ただ、今回は大きかったのは「日本全体が一時的とはいえ大きく働くスタイルを変えた」という点です。昔に比べるとコミュニケーションツールは格段に便利になりましたし、相手先の会社もオンラインMtgに一気に理解が増えました。うちの会社はせっかく小回りの聞く小さな会社だし、医療機関のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進している立場でもあるので、今ならできるんじゃないか、まずは自分たちが実験場として新しいことに取り組んでみようよ、という気持ちです。大半の人が在宅勤務なのにきちんと全員が出社している以上の効率性が達成できて、更に組織としての連携を生むようなコミュニケーションも担保される方法、というものを模索していきたいなと思っています。
やってみた中での課題だったり組織の問題がどの程度出てくるのかは冷静に見極めながら制度運用をしてみようと思っていますが、駄目だったら即撤退!ってできるのもうちの会社の良さだし(笑)。このあたりの結果はまた数カ月後にブログででも共有できればな、と思っています。