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MCF.LAB

複数拠点にわかれている会社のマネジメントについて

福岡本社。まだレイアウト変更したばっかりでダンボールだらけ。

MCFは本社が福岡ですが、営業の中心は東京でやっていたり、大阪にも営業所があって、高知にも制作のメンバーがいたりします。

メンバーの数としてはパート含め60名ぐらいなので、そんなに多くは無いのですが、拠点が複数にわかれているとマネジメントの難しさが一段階上がります。

東京の会社だと、単一の拠点(本社)だけで十分という会社も多いと思いますが、今後、地方に営業拠点や開発拠点を構えたいと考えている方には、何かの参考になるかなと思い、うちの会社がどんな方法で多拠点のマネジメントをしているのかを書いておきます。

凄いニッチな話題ですいません。

やっていること

3週間東京、1週間福岡

この10年、私は、3週間東京に住んで、月に1週間福岡本社に来るという生活スタイルです。
本社は福岡で、人員の7割は福岡にいるのですが、営業の中心としてはどうしても東京に偏るため、私は、基本、東京在住です。

福岡のマネジメントは任せているので、仕事上、福岡に来る必要はそんなにありません。

ただ、月1回くらい本社に顔を出しておくと、なんとなく空気感がいつもと違うな、という時とかに気付けたりします。

そういう空気感は、組織として問題が起きる前の前兆みたいなものだったりして、問題が起きる前に早めに手を打てるという意味でも、月1回、1週間くらいは本社で仕事をすることにしています。別にやっている仕事は、東京でしていることと変わらず、社内Mtgが少し増えるくらいです。

でも、”ただそこに居る”ということで気づくこともあります。1日くらいだとみんな社長のいる間だけ取り繕えますが、1週間もいると、ボロが出ます。

  • 電話を取るのが遅い、もしくは特定の誰かに偏っている(→みんな他人事)
  • オフィスがなんとなく整理整頓されていない(→だれも問題だと思っていない)
  • 特定の部門とか個人間でなんとなくよそよそしい(→何かあったか?)
  • なんかやたらと社内Mtgが多い・長い(→Mtgだってコストかかってるんだぞ)

こういう凄い細かいことですけど、会社としてはそのまま放置しておくと良くないよね、ということに対して気づいたタイミングでチクチク言うことにしてます。

それ社長が言うべきことなのか?という点は賛否両論ある気がしますが、うちの会社の場合は、私が結構そういうところに細かい性格なので、私が言うことにしてます。メンバーの誰かが言うより社長が言った方が、あとぐされないですし。

年2回の全社会議

2013年の時の全社会議。正社員もパートも全拠点のスッタフが一堂に会します。

決算月と半期のときに、全拠点の全スタッフが福岡本社に集まって、全社会議をしています。
だいたい1時間ほど、私から全スタッフ向けに半期の成績の棚卸しと、毎回違うテーマで話をします。

話すテーマはいろいろですが、「自分たちがやっている仕事って楽しいよね」「世の中を前に進めるような仕事をしようね」ということを必ずメッセージに込めるようにしています。

社長になりたての最初の頃は、あくまで業績の話だけだったんですが、ある時、「仕事って楽しい」とみんな感じてないなと思ってから、そういったテーマで必ず何かの話をするようにしました。

会社としての方向性の共有、みたいなことで、言ってしまえば当たり前のことではあるんですが、社長的には「みんなわかってくれているだろう」「伝えているつもり」だったのが、意外と伝わっていないなと思っています。

だから、半年に1回、毎回言い方を変えて、何回も繰り返し伝えるための手段として、この場を使ってます。

会議の後は、みんなで飲み会。50人超えてきて、そろそろ場所確保が大変になってきました。
あと、50人超えた飲み会なのに、最近の子たちは、一杯目からカシスオレンジとか頼むから、乾杯まで時間がかかってしょうがない。やめてくれ。。。

小規模拠点のメンバーは付き合いの長い人を

大阪のメンバー。もう一人含め前職から引っ張ってきました。普段仕事で厳しいことばっかり言っていますが、実はすごい感謝しています。

うちにも小規模拠点として2人ぐらいしか人数がいない拠点があります。

東京も、今でこそ10人以上になりましたけど、最初は3人でした。

小規模拠点って、なんでも自分たちでしなくてはいけないし、目が届かないのでお互いの信頼感(特に私との)って大切です。

正直、信頼感って人間としての信頼感に近いもので、私的には「あいつは、少なくともおかしなことは絶対しない」と思えるほど、一定以上の長い期間一緒に仕事をしてきている必要があると思っています。

MCFの場合は、東京メインで働いているうちの副社長は、私の最初の会社からの先輩ですし、大阪オフィスの初期メンバーも前職から引っ張ってきました。メンバー側も昔からの知り合いということもあり、ある程度私の性格を知っているので、普段コミュニケーション取らなくても、そんなに不安にならないんだと思います。(違ったら、ごめん)

私の目が届かず、見えないところで大変なことはたくさんあると思いますが、踏ん張ってもらったのは、本当に今でも感謝してます。

拠点間コミュニケーションの促進

複数拠点がある場合に一番発生し得る問題は、拠点間にまたがる業務が円滑に進まない、ということだと思います。

隣にいればすぐ済むようなことが時間がかかったり、店晒しになっていたり。
そういったことを極力減らすためにも、拠点間のコミュニケーションにストレスがかからないよう、いろんなツールを複合的に使うようにしてます。

Slack

Slackを導入してます。導入したのは2016年頭なので、まだ1年程度ですが社内のメールベースのコミュニケーションは99%Slackに移行できました。

Slackの社内導入に関しては、いろんな人が記事にしているので、もしまだメールベースのコミュニケーションが中心の方は、是非読んでみてください。

この記事なんかはすごくわかりやすくってオススメです。

歴史あるSI企業でSlack導入に成功した方法――そして社内の風通しが良くなりムダや停滞感も消えていった

社内のSlackの様子。

正社員だけでなく、パートも全員強制的に入社するとSlackアカウントを作成するところからスタートします。チャンネルだけで78チャネル、一日で飛び交っているメッセージは400通以上みたいです。

上で紹介した記事にも書いてありますが、Slackみたいなチャットツールはコミュニケーションの気軽さがあるので、メールなどと比較して格段にやりとりが活性化・省力化・スピードアップします。

あと、「場に投稿する」という概念が出てくるので、自分とは直接関係のないコミュニケーションが自然と目に入ってきたりします。これは、一応全体にゆるく目を光らせておきたい私からすると、すごく便利です。

単一事務所であっても、まだ社内のコミュニケーションがFace to Face とメールだけの場合は、是非Slackの導入を強くオススメします。ちなみに、うちは未だに、無料プランで使い倒しています。

内線電話

細かい話ですけど、東京−福岡間で社内専用ダイヤルがあります。

最初は外部向けの電話でお互い電話してたりしたのですが、営業からの電話も含め社内の電話量は結構なものなので、内部専用の番号を用意しました。でも、Slack導入してからガクッと社内の電話量は減ったと思います。感覚ですが。

今、Twillioを使ったコールセンターシステムを内製してまして、将来的には、電話機をやめて全てWEBベースでの電話に移行したいなと思ってます。机の上の電話機って邪魔ですよね。。。
ビジネスフォン高いし。

Appear.in

appear.in。最大8人入れるし、スマホからでも入れる。ブラウザさえあればOKという手軽さ。

多拠点間でのビデオ会議もわりと頻繁に行います。

以前は、Skypeなどいくつか組み合わせて使っていたのですが、いまはAppear.in一択です。

Appear.inは、ブラウザだけで、URL発行してすぐビデオ会議を始められます。
最大8人まで参加可能なので、互いの拠点はビデオをつなぎつつ、資料を見せたい人がそれぞれ交互に自分のPCでも同じ部屋に入る、みたいな使い方や、営業が出先からスマホで会議に参加する、みたいなこともできます。

子会社も東京本社と福岡のオペレーションセンターで拠点が分かれているのですが、下手をすると一日同じルームに繋ぎっぱなしにしておいて、出勤した人がそれぞれ専用ルームに入って来る、みたいな使い方をしてたりします。

これも細かい話なのですが、複数人でビデオ会議をする場合は、広角レンズのウェブカメラと、専用のマイクはしっかり買ったほうが良いです。やはりビデオ会議で一番のストレスは声が聞こえづらいとか、カメラに写らないところにいる人が喋っているとかなので、そういったビデオ会議ならではのデメリットはなるべく設備面で解消しておいたほうが良いです。

広角のウェブカメラはコレ使っています。

iBUFFALO マイク内蔵200万画素WEBカメラ 120°広角ガラスレンズ搭載モデル BSW20KM11BK

マイクは、最初はちょっと恥ずかしいですが、全方位の声を集めるにはこれが一番良かったです。

サンワダイレクト WEB会議マイク 高集音 USB接続 全指向性&単一指向性 400-MC001

わざと拠点をまたぐ業務を作っておく

上の拠点間コミュニケーションの促進と絡む部分なんですが、いくらコミュニケーションプラットフォームを整えても、必要性がないとわざわざ遠くの拠点の人とコミュニケーションを取りません。なので、意識的に拠点間をまたぐ業務を結構残しています。

例えば、東京なんかは営業が中心なんですが、わざと営業管理的な仕事は福岡に残していたりします。また、デザイナーとか開発とかも現場に近いところにいた方がいい、という意見は頻繁に出ますが、絶対福岡でしか採用しません。

普段、顔は合わせないけど、業務のやり取りでは他拠点の誰々と一番している、というような状態が社内のあらゆるところで発生しています。

難しい点

小規模拠点でのメンバーのモチベーション維持とか教育とか

小規模拠点のメンバーは、上でも話した通り、信頼のおけるメンバーに頼っている部分はあるのですが、どうしても新しいメンバーを入れる、教育する、というプロセスまでは持ちきれない部分もありますし、今後拠点の人数を増やしていく際に、その新しいメンバーのモチベーション維持も悩ましいなと感じてます。

このあたりは、うちの会社もまだまだこれから試行錯誤していかないといけない領域ですね。
この点をちゃんとシステマティックにできるようになると、もっと今後拠点も増やしていけるんですが。

設備投資的な公平感

どうしても、私がいる時間の長いオフィスの方が設備投資やら、特別対応(例えば、会社負担の飲み会の数も)多いですよね。その点、不公平だと感じる部分もあると思います。こればっかりは、しょうがないよなぁと思いつつ、わりと気軽に予算申請してね、と思ってます。

医療機関向けのビジネスをやっていると、北海道から沖縄まで全国対応せざるをえず、小さい会社だと結構多拠点の維持が悩ましい問題です。
ただ、今後ちゃんと市場開拓して、愛知や広島あたりにも拠点を構えたいな、と思うと、多拠点マネジメントは永遠の課題だと思っています。

そう思うと、本社は東京ではなく、福岡がベストチョイスかもなと思っています。そのあたり、福岡のどんなところが良いかについてまた今度書いてみたいと思います。